2015年4月10日金曜日

雨に散りゆく桜



朝から冷たい雨 すべての草木が しっとりと濡れそぼつ
新緑に芽生えはじめた木の葉は瑞々しく彩られている しかし
つい先ほどまで愛でて人々の心を捉えて離さなかったさくらは
いと哀れに 見向きもされず 散りゆく花びらに心寄せる人もなく
唯々 哀れ
地面に舞い降りた花びらは 行き先もわからず 路上に張り付くだけ

〜漆黒の天から小止みなく雨がふっている
 光を浴びた花という花のすべてがけぶっている
 ただ一人の声を聞き分けようと耳を澄ますのだが
 ついに私は聞き分けることができない

 私がもどかしく満開のサクラの花々の下に立ちつくせば
 いつか私自身の幽魂が私から遊離し
 光を浴びた花々の間をさまよっている  そして
 ただ一人の声をさがしあぐねている      
        ー満開のサクラに 降る雨の中でー  中村稔

こんな詩を詠んだ詩人がいます
雨に濡れるさくらの花を見詰め ふと思いだし 探してみると
「花々の詩歌」に載っていました
読んでみると作者の想いが伝わってくるような気もするし
若き日に味わった懐かしい心にもなります

我が家の車 ガレージ横の家 そこの桜の枝葉が 張り出して車の
上に覆い被さり 我が車は どこにも行かずともゆっくり花見が
楽しめているようで・・・
散りゆくときは 花びらに埋もれるほど 花電車ならぬ 花車に変身
お天気が良ければ風に吹き流されてゆくけれど 雨の時はぴったりと
張り付いてこの有り様
寂しい自然現象なれど 桜の散りゆく姿は風情があって 趣も豊か 
心揺さぶられます
桜の季節は いよいよ終わり また 次の年を 楽しみにして元気で
過ごしたい

「山ざくらをしむ心のいくたびか
     散る木のもとに行きかへるらん」  周防内侍

山桜が散るのを惜しむ心を詠っている まさにこの心 同感
来たる年にもいい桜を見せてください いや 良き桜を見るために
自ら成すべきことは・・・・・考えずともわかっていること
ありがとう 感謝しています

0 件のコメント:

コメントを投稿